ショートショート
SSS1/2

【SSS1】

「季沙ちゃん今日も髪型素敵だね」
「うぜぇ」
「そんなつれない君が好きだよ」
「このマゾ」
「君になら虐げられても構わない。愛があるから」
「そんな愛いらん!捨ててしまえ」
「怒ってる君もすてきだね」
「…すいませんが」
「ん?何かな?」
「先生、授業はじめてください」


小学5年生の季紗は、嘆息して、一人盛り上がる家庭教師に何度目かの軌道修正を試みた。

+++++++

【SSS2】

「このとしになって、ようやくアイを知ったんです。」
「そうか、よかったな。」
「はじめてなんです…センセイがスキです。」
可愛らしい顔をきらきらと輝かせ、期待に満ちた視線で、その子は私を見上げてくる。
「センセイは…どうですか」
気持ちは大変うれしいのだが。
「断る。生徒としては可愛く思っているが、恋愛対象としての君に興味はない。」
相手は理解できないといった顔できょとんと私を見上げた。
しまった、言葉が少し難しすぎたか。

「えぇと、その。つまり、君の恋人にはなれない。」
優しい言葉に言い換えてみた。
すると、この子にも私が断った事実が伝わったらしい。目に見えてがっかりした顔をする。
罪悪感。でも、どんなに可愛くても私は相手にするわけにはいかない。
「さぁ、帰りなさい。もう遅いからね。」
私は部屋からあの子を追い出した。

「また、きます…」
「こなくていい。君には相応しい人がいる。」
「センセイがいいんです!」
「諦めなさい。」
「イヤです!」
「君ね…」
いや、だから私は犯罪に走る気などないのだ。勘弁してくれ。

「帰れ!」

彼女はこの春担任に持った、お隣の少学二年生の少年をやっとのことで追い出した。

(私はショタコンじゃない!)

彼女の心の叫びは生憎お隣の児童には伝わらないらしく、この光景は毎日繰り返されている。


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